2011/6/13(月) 第26回 曇りのち晴れ
家を出るときは昨夜の大雨の名残の雨だったが、中央線で西に動くにつれ、あがって行き、笹子トンネルを出ると曇りに。山は水蒸気が立ち上って徐々に霧が晴れていく。
午前中は裏(北側)の畑のロザリオ・ビアンコの房づくり、午後はデラウエアの傘かけ。
定点観測写真:
ロザリオ・ビアンコRosario Biancoは、ロザキ×マスカット・オブ・アレキサンドリアの交配品種です。Rosaki x Muscat of Alexandria
それではロザキRosaki (Regina, Datteir di Beyrouth)はどういう品種かというと、植原宣紘氏によると次の通りです。
「アラビア原産の世界的に有名な大粒高級白色種。イタリアを中心に、世界の主要ブドウ産地で栽培され広く普及している。ロザキは元々『白いブドウ』を意味し、各国に数多くの異名がある。」(『ブドウ品種解説』甲府、植原葡萄研究所、1994年8月10日発行、p. 48)
ロザキとかレジーナと呼ばれる品種とマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配品種であるロザリオ・ビアンコの品種特性はどういうものかについて上掲書を要約してみます。
ロザリオ・ビアンコは1976年植原葡萄研究所で交配・育成された品種で、1987年品種登録されました。10g以上の大きさになる楕円形の粒がついて、円錐形の大きな房になります。緑黄色から白黄色で、果皮は薄いけれど強くて裂果はほとんどありません。果皮と果肉を分離するのが難しい。味は上品なまろやかさがあり、品質は極上です。9月上旬から中旬にかけて熟します。樹勢は旺盛ですが、萌芽が遅くむらがあるのが欠点で、徒長枝ほどこの傾向が強く、落ち着いて枝梢が小指以下の手ごろな太さになれば萌芽は揃います。満開から2週間後にジベレリン処理して、顆粒の肥大と果梗の硬化を図ることができます。」(『ブドウ品種解説』甲府、植原葡萄研究所、1994年8月10日発行、p. 48-49)
実際に房づくりをしていても、巨峰系品種に比し、新梢が柔らかく繊細で、簡単に折れたり切れたりするので、やさしく取り扱わないといけないということがわかります。
U氏の話によると、育てるのに手間のかかる品種であるという。ジベレリン処理をしないので、基本的に有核なのだけれど、受粉しなかった粒が無核になり、無核の粒を一粒一粒手作業で除去するのでその分手間がかかるとのこと。植原さんはそうとは書いていないが、耐病性に難があり化学薬品等の散布の種類が多くその点でも手間がかかるとのこと。
ぶどう用の冷蔵庫を初めてみせてもらった。
この冷蔵庫は、ぶどう果が9kg収まるケースが1500個も収納できる大きさで、本室は0℃~3℃、予冷室は5℃~10℃。収穫してから少し冷まし、予冷室に入れて温度を下げてから本室へ入れる。そうしないと隅々まで冷やすために冷蔵庫が何日も24時間動きっぱなしになる。動きっぱなしになると冷却管に霜が付いて機能が低下するため、予冷室がある。
冷蔵庫から出す時もまず予冷室に移し、次いで夜の涼しい時に予冷室から出して、徐々に常温に戻す。そうしないと水滴が付いてしまうから。以前はデラウエアで一杯になったものだが、最近は一杯になることはないという。
冷蔵庫の使い方からも栽培品種に変遷があることが知られる。
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