2011/10/16(日) 第49回(つづき1)
勝沼人の大地のマスカット・ベーリーA醗酵タンクに貼られた「仕込もろみ 作業状況表」に書かれていることを自分なりに解読してみた。
9月29日、1050㎏のブドウをまず除梗・破砕し、タンク6番に入れた。
その際、ブドウの状態を見て、梗を完全には除かず、2分の1を残した。
搾汁率は80%を予定し、従って840リットルのブドウ果汁ができる。単純計算では、720ml瓶が1166本取れることになる(新田さんによると実際には1000本を切り、樽にすると3樽がいいところとのこと。つまり900本)。
昨年は0本だったし、2009年が600本程度であったことを思うと量的には満足すべき作柄だったのではないか。ベト病がついたにもかかわらず。
840リットルのブドウ果汁に対し、30ppmの濃度になるように酸化防止剤が投入された、つまり50gのメタカリが入れられた。
メタカリとはメタ亜硫酸カリウムの略称で、Wikipediaによると次の通り。
ピロ亜硫酸カリウム(ピロ亜硫酸カリウム、英: Potassium metabisulfite)は化学式K2O5S2で表される無機化合物。亜硫酸の二量体であるピロ亜硫酸のカリウム塩で、メタ重亜硫酸カリウムとも呼ばれる。性質や用途はピロ亜硫酸ナトリウムに類似している。E番号224の食品添加物として、保存料や酸化防止剤、漂白剤として用いられる。ワインでは酸化防止や微生物の繁殖防止の目的で、発酵前に添加される。ビールでは野生酵母や雑菌の繁殖防止、原料水中のクロミランの除去に使用される。
30ppmは、100万分の30なので、840リットルの10万分の3は25.2g。50グラムのメタカリを入れたと書いてあるが、それだと60ppmになる?ので、25グラムではないのだろうか。
また、ペクチEX-Vが10ppmということは10万分の1ということだから、1050kgの10ppmは10.5gなので、10gというのは正しい分量だと考えられる。
今年の勝沼人の大地赤ワインは天然酵母で醗酵された!
やはり、Tさんがボルドー液を1回散布しただけで他の防除は一切せず、ほとんど薬品を使わないに等しい栽培法であったお蔭だろうか。醗酵に足るほど野生の酵母がついたらしい。
櫂は、他の醗酵槽と混用しないようにすると決められている。
櫂入れは基本的に朝夕の1日2回。醗酵7日目辺りから目に見えて温度上昇があり、8日目~9日目にかけて最高温度(25℃)に達した。
同じく8日目に補糖をしたが、分量は、他のタンクの記録と比較すると、他の約半分程度である。補糖に何を使うかについても何種類かあるようだが、勝沼人の大地の赤には上白糖が使用された。
10日目からは徐々に醗酵温度が下がり、15日目で最初の温度に戻った。
以上のようなことが「仕込もろみ 作業状況表」には書かれている。醗酵が終わったと判断され、今日10月16日、仕込から18日目に搾汁=圧搾となった。
(つづく)
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