2011年11月6日日曜日

ぶどう園ボランティア日記51

2011/10/25(火) 51回 晴れ

定点観測写真:撮影失敗(デジカメの設定間違いのためか)

             

今日はU氏が東京の病院への通院のため不在。ご両親と3人で第1圃場の草刈り。また第2圃場上隣の畑との境近くと、第1圃場下方隣の隣の畑に、覆い被さるように伸びた雑草の草刈りをして、隣の畑に迷惑が及ばないようにした。

3人の労働力は1人とは大いに異なり、圧倒的スピードで草刈りは進捗した。第2圃場は1日で草刈り完了。

2圃場の下の列の草刈り後の状態。

                                 
             
この列の一番奥の苗は、我が物顔で伸びた雑草に対抗して、健気にも生き延びていた。   
 
                                         

ただ、痩せ細った状態なので、やはり、これほど痩せた土地には、苗木の段階では若干の肥料で生育を支援する必要があるかもしれない。

ぶどう園ボランティア日記50

2011/10/21(金) 50回  曇りのち小雨

定点観測写真:写真では分かり辛いが駒ケ岳が、やけに近く、くっきり見えた。

               

今日は一日草刈り。第1圃場がほぼ完了。トラ刈りの部分や、苗の周囲以外で刈残した箇所を重点的に刈った。下の道路からの入り口付近も。下の道路に出て、石垣の上の雑草も刈る要あり。

草刈り前:

               

草刈り後(若干角度が異なる)

               

お昼に昨日U氏父君が山で採ったムラサキシメジとダイコクシメジがおかずとして出た。ムラサキシメジは大根おろしをかけた煮付け。ダイコクシメジは吸い物。

天然のシメジを生まれて初めて食す。香り味とも栽培物にはない強さと味わいがあり、めったにない素晴らしい味わい。

                                
部屋に入ったとたん、強いきのこの香りに気がついた。香り松茸、味シメジというが、どうしてどうしてシメジの香りも天然物は高い。

シメジは占地と書く。傘が大きく広い面積の土地を占めるからという由来。

午後も草刈りの続き。夕方4時過ぎにようやく第2圃場の下の列の入り口を雑草の向こうに発見し、少しだけ刈り進める。今年はここまでか。

2011年11月5日土曜日

ぶどう園ボランティア日記49-4

2011/10/16(日) 49回(つづき3)

絞り汁は、フリーランに近い搾汁前半と絞り取った後半の2つに分けられ、ステンレスタンクで発酵される。熟成は木樽で行われるとのこと。

勝沼人の大地赤の圧搾も同じ機械を使うので、甲州の搾りかすを圧搾機のドラムからかき出して、ドラムを洗う。

        
かき出したカスは圧搾機下に置いたたらいに落とし込む。

赤が入っている発酵タンクを圧搾機の傍にフォークリフトで持ち上げる。先ほどと同じ台の上に2人が上がって、バケツでタンクから圧搾機に移す。完全手作業。タンクの中味が減ってくるとバケツが届かなくなるので、もう一人がタンクの中の脚立の上に乗って、3人のバケツリレー。さらに減ってくると脚立はどけて、長靴の底をタンクの底につけてバケツリレーを続ける。なくなったら圧搾開始。

       

除梗・破砕して発酵18日目なので、流れ落ちる量は白の比ではない。

        

一方、空になったタンクを水洗いして圧搾された液を入れる準備をしておく。

圧搾機の受け皿に溜まった液は、ポンプにより圧力をかけられホースを通って、洗ったタンクに戻される。白の3倍近くの量があるのでタンクになみなみと入って光り輝いている。

                              
1250分頃、赤をタンクに移し終わったところで作業は終了となった。

赤の熟成には、これまで白ワインのために使用されていた2002年の古樽を使う、つまり10回目の使用ということになる。

帰りがけに撮った定点観測写真(10161334分)。

             
1016日終わり)

ぶどう園ボランティア日記49-3

2011/10/16(日) 49回(つづき2)

麻屋葡萄酒での、甲州の仕込みとマスカット・ベーリーAの圧搾作業の手伝いの続き。

赤の圧搾の前に9時過ぎから白の仕込みが始まった。昨日の搬入以来、雨に濡れた水分を飛ばすため、05℃の保冷コンテナに入れてあった収獲カゴ38箱の甲州ブドウをフォークリフトで醸造所内に運び込むところから。

               
運び込んだら、圧搾機の準備で、液が受皿の外にこぼれないようにドラムの両側にビニールカーテンをかける。

             

今年の勝沼人の大地白の甲州は、除梗・破砕をしないで、いきなり圧搾するとのこと。醸造家の判断により、教科書通りではない醸造過程となる。

圧搾機は(当時の西)ドイツ製でホーヴァルト社Howardのもの。H1900PLE型。20年以上使用されている。ホーヴァルト社は、ハイデルベルクの北東約35㎞のオーデンヴァルト地方Odenwaldにある小都市で、ヘッセン州の東端、バイエルン州とバーデン=ヴュルテンベルク州との州境に近いところにある。

ドイツ語で圧搾機はRotavatorというらしい。ちなみにロータリエンジンは、Rotationskolbennmotor

圧搾機の前に置かれた1.5m位の高さの踏み台に乗った人に収獲カゴを手渡しすると、台の上の人が圧搾機にブドウを放り込む。


暫くすると果汁が落ちてくる。

             

圧搾時間は1時間に設定。40分位経過したところで圧力計の針は、1.63バールbarを示していた。
                             
操作盤の左上に圧力計がある。

             

受皿にたまるはしから、ポンプで小型のステンレスタンクに送られる。

              
(つづく)

ぶどう園ボランティア日記49-2

2011/10/16(日) 49回(つづき1)

勝沼人の大地のマスカット・ベーリーA醗酵タンクに貼られた「仕込もろみ 作業状況表」に書かれていることを自分なりに解読してみた。


 
929日、1050㎏のブドウをまず除梗・破砕し、タンク6番に入れた。

その際、ブドウの状態を見て、梗を完全には除かず、2分の1を残した。

搾汁率は80%を予定し、従って840リットルのブドウ果汁ができる。単純計算では、720ml瓶が1166本取れることになる(新田さんによると実際には1000本を切り、樽にすると3樽がいいところとのこと。つまり900本)。

昨年は0本だったし、2009年が600本程度であったことを思うと量的には満足すべき作柄だったのではないか。ベト病がついたにもかかわらず。

840リットルのブドウ果汁に対し、30ppmの濃度になるように酸化防止剤が投入された、つまり50gのメタカリが入れられた。
メタカリとはメタ亜硫酸カリウムの略称で、Wikipediaによると次の通り。
ピロ亜硫酸カリウム(ピロ亜硫酸カリウム、英: Potassium metabisulfite)は化学式K2O5S2で表される無機化合物。亜硫酸の二量体であるピロ亜硫酸のカリウム塩で、メタ重亜硫酸カリウムとも呼ばれる。性質や用途はピロ亜硫酸ナトリウムに類似している。
E番号224の食品添加物として、保存料や酸化防止剤、漂白剤として用いられる。ワインでは酸化防止や微生物の繁殖防止の目的で、発酵前に添加される。ビールでは野生酵母や雑菌の繁殖防止、原料水中のクロミランの除去に使用される。


 
30ppmは、100万分の30なので、840リットルの10万分の325.2g50グラムのメタカリを入れたと書いてあるが、それだと60ppmになる?ので、25グラムではないのだろうか。

また、ペクチEX-V10ppmということは10万分の1ということだから、1050kg10ppm10.5gなので、10gというのは正しい分量だと考えられる。

今年の勝沼人の大地赤ワインは天然酵母で醗酵された!
やはり、Tさんがボルドー液を1回散布しただけで他の防除は一切せず、ほとんど薬品を使わないに等しい栽培法であったお蔭だろうか。醗酵に足るほど野生の酵母がついたらしい。

櫂は、他の醗酵槽と混用しないようにすると決められている。

櫂入れは基本的に朝夕の12回。醗酵7日目辺りから目に見えて温度上昇があり、8日目~9日目にかけて最高温度(25)に達した。

同じく8日目に補糖をしたが、分量は、他のタンクの記録と比較すると、他の約半分程度である。補糖に何を使うかについても何種類かあるようだが、勝沼人の大地の赤には上白糖が使用された。

10日目からは徐々に醗酵温度が下がり、15日目で最初の温度に戻った。

以上のようなことが「仕込もろみ 作業状況表」には書かれている。醗酵が終わったと判断され、今日1016日、仕込から18日目に搾汁=圧搾となった。
(つづく)

ぶどう園ボランティア日記49

2011/10/16(日) 49回  晴れ

前日収獲した甲州の仕込みと928日に収獲して醗酵の終わったマスカット・ベーリーAの圧搾作業の手伝いのため委託醸造先の麻屋葡萄酒へ出かける。

58回甲州マラソンの日曜日とあって、駅と中央線鈍行が非常な混雑。

定点観測写真:

               
8時前に勝沼ぶどう郷駅からタクシーで等々力の麻屋葡萄酒へ。

甲州タクシーのN運転手が言うには、町村合併は勝沼町にとっては失敗だったのではないか、マラソン大会の日程・コースの設定等の運営や黒字のぶどうの丘を敢えて民営化する意味への疑問、税金の上昇等何一ついいことはない云々、とのこと。話をしているうちに麻屋葡萄酒着。

8時を過ぎてしばらくすると作業担当のMさんに続き、雨宮一樹さんも出社された。勝沼人の大地からの参加者は他に6名で、9時になって皆が揃ったところで作業開始。

作業開始を待っている1時間余の間に醸造場内を見学したが、ワイン醸造にかかわるいろんな情報が目に入る。中でも、928日収獲のマスカット・ベーリーAが、中位の大きさのステンレス醗酵槽に入っていて、側面に中身についての醸造記録表が貼ってあった。

                              
表には、以下のようなことが日付を追って記入されていた。


 
仕込もろみ 作業状況表

品 種:マスカット・ベーリーA勝沼人の大地用[破砕ごとに作成]
日 付 
T-No
作業内容 ・ 処理状況 
数量(kg,lなど)
 9/29

竹田さん
 1050 kg

T–6
除梗・ハサイ → T – 6      17



メタカリ 30ppm = 50g (80%として840リットル)



ペクチEX-V 10ppm = 10g (ブドウ量に対して)



酵母 天然酵母



梗を1/2入れる. 櫂棒を専用のものにする.



櫂入れ 夕方16

 9/30
 〃  朝19℃ 夕20℃ 沸きつきアリ

10/1
 〃  朝20℃ 夕19

10/2
 〃  朝20℃ 夕20℃ 揮発系の香り

10/3
 〃  朝19℃ かくはん後 香良い

10/4
 〃  朝18

10/5
 〃          22

10/6
 〃  朝18℃ 昼25

10/7
補糖 上白糖 39.4kg  夕25

10/10
櫂入れ 朝22℃ 沸きつきアリ 果皮やわらか
 〃  昼23℃ 夕22℃      ペースト

10/11
  〃  朝22

10/12
  〃  朝21

10/13
  〃  朝20







                                                  (つづく)